久しぶりのライブ観戦レポート。ちょろちょろライブには行っているのだが、忙しい中でレポート書く時間を取るほどのものが少ないというか…。
Soft Machine Legacy with special guest Keith Tippett @ Billboard Live Tokyo / 2nd stage 2015//3/26
つまり「ソフトマシーン」のライブに行ってきました。ソフトマシーンを聴きはじめたきっかけはAllan Holdsworth(Gt)を追いかけ始めたから。
ソフトマシーン、35年前くらいから聴きはじめて、今でも下記のアルバムは愛聴盤です。
Bundles (1975) Allan Holdsworth(Gt) 参加
Softs (1976) John Etheridge (Gt)参加
今でもHoldsworthは大好きですが、正確には昔のHoldsworthが好きなで、Gong・Soft Machine・Brufordにつきます。
それらのバンドはHoldsworthに限らず聴き込んでいったのですが、Softsというアルバムが素晴らしかった。そこでギターを弾いていたのがJohn Etheridgeです。彼のギタースタイルはガシガシ弾く系なので、現在のHoldsworthよりはBundlesに近いからリチャの好みです。ちなみにStephen Grappelliのアルバムで弾いているJohn Etheridgeも大好きなので愛聴盤です。
で、Soft Machineが来日。初の生Soft Machineが楽しみ。その上、GuitarはJohn Etheridge。入場番号1番。
定刻より早く入場できたので、お客様が少ないであろう事が予想できた。さっそく、Johnが良く見えそうなかぶり付きシートを選んで着席。目の前に数個のペダル。ボリュームペダル+謎のペダル(エスカッシンペダル)+Line6のモジュレーション?エフェクター間のシールドは青やら緑のおまけでついてくる様な安物。見ればコードもぐちゃぐちゃ。
細かい人ではなさそうだ。正面に譜面台。リチャの隣のテーブルでかぶり付きの人は、ギター弾いている手元は見えないだろうな。ライブパフォーマンスの際の譜面台は大嫌いです。
観客はほぼ男性。いろいろなテーブルでGongがどうだの、David Allenが亡くなった話し、UKのライブがどうだの、聞こえてくる。
定刻に演奏開始。最初の2曲で「うわっ、大丈夫なのか、こんな演奏で…」と悲しくなったのだが、70年代の曲になってからはSoft Machineな感じが出まくっていた。
John Marshall(Dr)が病気で来日できなくなり、非常に残念。ピンチヒッターのGary Husband(Dr)、今回は風邪もひいていないしパワフル。ちょっとSoft Machineな感じをスポイルしているが、彼のおかげで迫力は増している。
ナマでHazard Profileを聴ける幸せ。GuitarはJohn Etheridge。彼はこの曲に関してはHoldsworthのLineのエッセンスを取り込んで弾いている様に感じた。それがまた嬉しい。今のHoldsworthではオリジナルに近いこの感じにはならないハズ。Bundlesのアルバムジャケットを思いめぐらせながら昇天しました。あは~ん。
ところで大嫌いな譜面台、譜面はおいていなくて、なんと2台くらいエフェクターを置いてました。歪み系らしく、いろいろ弄りながらの演奏。フットスイッチを手で押すという…。うーん、それはどうなの?足元にあるから良い事がたくさんあるのに。
どこのブランドだか知らないが、かなり弾き込まれたギターを使っていて、ピックが当たる所は塗装がガッツリ剥げている。この手のミュージシャンでリズムがヨレるのは仕方がない。弾き込まれたギターなのに、弦ミュートが甘く、特に1弦解放の音が出てしまう事が多い。上手いのか下手なのか分からない。あと、ギター自体のメンテナンスが出来てない。アーム付きブリッジのアースは切れかけているのでは?なっともやたらピキピキと鳴く。コードもぐちゃぐちゃだし。そうかミュートが甘いのも弦高調整などすればなくなるのでは???Guitar Techを雇わないのかな?
数曲目からKeith Tippett(Piano)が登場。まさかキースティペットを観れるとは思っていなかった。欧米のB級映画のシーン、移動式の遊園地にあるMagic House。そこに入ると、少し強面な髭のおじいさんがオルガンの前に座っている。魔法使いなのか執事なのか?Keith Tippett、そんな事を連想させました。すっごい魅力を感じる風貌。面倒くさそうな性格っぽい。
アドリブのピアノソロパートが始まる…。
凄すぎる。絶句。
あのまんま、ピロピロと壮絶フレーズを超高速でキメまくる。ピアノの音が刺さる。魔法使い、恐るべし。老いない薬(緑色の液体)を飲んでいるに違いない。
その時、突然思いついた。ソフトマシーンのライブでやってはいけない事。彼女を連れて来てはいけない。嫌われるだけならまだしも、ピロピロ聴き続けたら、気持ち悪くなって、最悪、吐くかもしれない。Billboardの床を掃除する羽目になるのか?いやだ…。
この魔法使いのおじいさん、いろいろなGoodsを持ってきていて、ピアノ弦の上に重りみたいのを置いてチェンバロみたいな音にしたり、小さな手動のオルガンをくるくる回して音出してたり。やはり、最高だ!好きなアルバムがあるんだけど、ジャケットが気持ち悪いんだよね。見てると吐く。好きなんだけど愛聴盤ではないんだよね。聴いていると吐くから。
Gary Husband(Dr)はマシンガンの音よろしく、パワフルなサウンドを浴びせかけてくれる。
Soft Machine featuring Keith Tippettって他の国でも演っているの?ソフトマシーン好き、Bundlesのアルバム好き、John Etheridgeファンは観て損はないと思うライブでした。自由席も指定席も空きがあるしカウンターシートなんてガラガラ。
選曲はもう少しだけ考えると「あれ?えっ終わり?」って感じが無くなって、もっと良いパフォーマンスの印象になると思います。もう一度観たいっ!
Soft Machine Legacy
John Etheridge(Gt)
Theo Travis (Sax, Flute)
Roy Babbington(Ba)
Gary Husband(Dr)
Keith Tippett(Piano)