iPhone 6sでの音楽再生の音質が許せない件、音楽再生アプリのKaiser Toneを使う事で改善しつつある。このアプリ、基本的にはかな り満足している。iPhoneを使う限り仕方ない部分もあると思うが、出音に完全に満足している訳では無いので、もう少し設定面を追究していきたい。
使用開始して1週間程度のKaiser Tone、いろいろと細かい設定ができ、それぞれはっきりと効果があるので、数曲のリファレンス曲を聴きながら設定組み合わせを試しいる。現時点での設定内容を書いておく。画面のデザイン設定やハイレゾに関する設定はデフォルトのままなので省略。
■使用状況
使用機器:iPhone 6s + イヤホン Ultimate Ears Triple.fi 10 pro / iPhone 6s + DIATONE Sound Navi MZ60 Premi on SUBARU Forester (ライトニングケーブルで接続)
iTunesに取り込む際の音源ファイルの設定:形式AAC、サンプルレート 44100kHz、ビットレート(圧縮比率) 320k bps
ハイレゾ音源は使っていない。
再生する曲・ジャンルは、Funk Soul。洋楽のRock Pops全般。Jazz Fusion。70年代~90年代の音源が多い。
■操作性
Apple Storeからインストールしたら、即使用可能。勝手にMusicアプリのフォルダやプレイリストを認識するので、音を出すまでの余計な作業は不要だ。
再生している曲のアルバムジャケットを左にスワイプすると次の曲に行けるのは使い勝手が良い。右にスワイプすると前の曲の頭から再生される。これはMusicアプリには出来ないし、使い勝手が非常に良い。
操作性で不満なのは、アプリを終了させた時のアーティスト&アルバム位置を把握していない事くらい。
■プリセット・イコライザー
イコライザーのプリセットが数多く入っているが、「iTunes Perfect(10 band system locked)」を選択し、それをベースに30 band モードにして一部分をカスタマイズしている。
基本、イコライザーを掛けたくは無いのだが、フラット状態で再生するとおとなし過ぎて聴いていて面白くない。「iTunes Perfect」は一発で出音を良い感じに仕上げてくれる。
■EQモード
・ノイズ・リダクション 「On」
・音質モード 「超高精細」
・Flexible HD 「On」
・キャッシュ 「Off」←車載で使っている時に音飛びが気になる事があったので、OnにしたりOffにしたり実験中。
・アルゴリズム 「CyberFort」←開発元CyberFort社が作ったアルゴリズム、という意味。これが良い。
・自動音割れ防止 「Off」←設定のポイント。
・自動無音部分スキップ 「Off」
・ローカットフィルタ(32Hz) 「On」←Offにすると超低音域がふくよかになって良いが、ほとんどの曲で「もあっ」っとしてしまうのでカットしている。
・ハイカットフィルタ(16kHz) 「On」
・出力Max 「352.8kHz / 32bit」
・DSD to PCM 「節電」
■デジタル出力 ←イヤホンで聴いている事が多いので、設定を詰めていない。但し、下記の設定にした方がイヤホンで再生している時にもいい感じになっている気がしている。
・DSD over PCM (DoP) 「On」
・アップサンプリング 「On」
・PCM出力MAX 「352.8kHz / 32bit」
■Volume Gain
Kaiser ToneはVolumeもGainも細かく設定できる。
信号の流れとしてはGain→Volumeなので、最終的な音量(音の大きさ)はVolumeで設定する。GainはKaiser Toneが音源ファイルを読み込むときの入力レベルというイメージに捉えておいて良い。何も不具合が無ければ、Gainは常にMAXの100%で良い。
・Volume 「その時の好みで設定」←iPhone62の側面のVolume Controlボタンと連動している。
・Gain 「75.977 %」 ←設定のポイント。だいたい75%くらいに設定している、という意味。
■設定のポイント
1.イコライザー・プリセットを「iTunes Perfect(10 band system locked)」を選択する。
2. 自動音割れ防止をOffにする。
3.音割れ防止をOffにした影響で音が歪む事があるのでGainを下げる。
4.イコライザーを30 band モードに変更して更に好みのイコライジング設定を探る。
イコライザー・プリセットは自分にとってはいい具合に調整されている設定だった。
自動音割れ防止機能は、Off, Normal, Middle, Powerfulの4段階で設定が可能。リミッターなのかもしれないが、コンプレッサー的なエフェクトに聴こえる。色々な音楽を同じような音量で聴きたい人はPowerful設定で良いと思う。元ネタの音源を自然な感じで楽しみたいリチャードとしては、Normalモードで音に変化があるので、Offにしている。
自動音割れ防止機能をOffにした結果として、Gain 100%のままだと音源によっては音割れが発生する(音が歪む)。なので、いくつかの音源で試しながら、リチャードはGainを75%くらいまで下げている。この影響で、今までよりVolumeは上げ気味になる。車載で聴く場合は、そもそもiPhone側のVolumeは機能しないが、Gainが下がっているので、サウンドナビ側のボリュームも今までよりは上げ気味でないと音量が出ない。それでも、サウンドナビでは車内で必要十分な音量が出せるので問題は無い。
30 bandイコライザーでの調整は、好みの世界。iTunes Perfectプリセットだと「明瞭感が不足」していて「音が詰め込まれ過ぎ」な印象なので、160Hzだけをピンポイントでプリセットの値から-3.5db下げている。結果、スッキリ感が増すが、音源によっては迫力が足りないかも?って思う曲もある。楽器パートごとにイコライジングしている訳ではないし、音源全体の音色調整なので仕方が無い。それでも30 bandイコライザーだからこその設定ができる。
■音楽を楽しむ上での音の変化
ミュージックプレイヤーと比較すると、同じ音源ファイルで聴いているのに音の解像度が全く違う。
上記の設定をする事で、今まで聴き取れていなかった音が、電車内や街を歩いている時にも聴き取れる様になった。
具体的にたくさんあるのだが例を挙げると、
・今まで聴き取れていなかったギターの空ピックの音が聴こえる。
・以前は滑らかに聴こえていたシンセサイザーのグリッサンドの音、鍵盤ごとのカタカタ音階が変わっていく部分が聴き取れる様に変わった。
・複数コーラスの内、今まで聴き取れていなかったコーラスパートが入っていた事を発見した。
などなど、きりが無い。
ファンク系の曲では、ベースとバスドラがスピード感がある気持ち良い音圧で再生されて満足だ。
ファンクバンド「MUGEN Blasters」で新しくレパートリーを加える際、初めてスタジオで音を出すと、メンバーが欲しい音を弾いてくれないって事がある。確認すると192k bpsの音源ではその音は聴こえないって事がある。しかし、ずっと320k bpsで頑張っているリチャードも、音源再生アプリの性能によって聴こえていない音があったという事だ。