メインで使うギターケース(ギグバック)を新調

ライブやリハの際にメインで使っているギターケース(ギグバック)を新調した。新しく買ったのはNAZCA Protect Case。楽器店特注の出物だった。

エレクトリックギターのケースは大まかに分けると、ハードケースとソフトケース・ギグバックがある。セミハードケースという言い方もあるがここでは割愛。
家でギターを保管しておくだけならハードケースも良いが、ライブやリハに持っていくとなると、プロ並にツアーでもしない限り、軽量で且つ背負えるタイプのソフトケースが便利。ハードケースはケース自体が重いし、片手で取っ手を持って運ぶしかないのである。
ハードケースって何かの拍子に留め金が外れると、蓋が空いてギターが転げ落ちるという事故も極たまに発生する。GIBSONの高価なLes Paulだからといって常にハードケースで持ち運んでいた知人は、山手線代々木駅のホームでハードケースの留め金が突然外れて蓋が開いてしまいギターが転げ落ちてしまった。油断は禁物だ。

MUGEN Blastersの活動でずっと使っているギターケース、Noah’s Arkというブランドのソフトケースで10年近く使っていた。
今でも当時と同じ価格帯(1万円位)で売っているのだが、買った時には経済的な余裕が無い頃で、ほぼ新品の中古をヤフオクで見つけて7000円くらいで買った。テレキャスター、ストラトキャスター、レスポールなどのタイプが入る万能ケースなので、MUGEN Blastersの活動においてはこれで十分。使い勝手が良いし、これにギターを入れておくと、誤って倒してしまっても中のギターが壊れる事は無かった。ケースの生地は撥水加工ありのナイロン素材で丈夫。


使い込んだ結果、ファスナー部分など縫合個所からほつれ出しており、フロントポケットのファスナーは半分くらい閉まらない状態。車に積む時にフロントポケットの中身が外に飛び出す可能性もあり、ライブで忘れ物に繋がるリスクもある。MUGEN Blastersのメンバーからは「随分と長く使ってますよねぇ。(そろそろ替えれば?)」と言われ、さすがに買い替える気になってきた。

■買い替え候補の3つのブランド
買い替えに際し、候補のケースは3つに決まっている。
・同じNoah’s Arkのギターケース。
・MONOというUSブランドのギターケース。
・NAZCAという国産て作りのギターケース。
3つとも既に所有しているブランドのケースなので、どんな感じなのかは分かっている。メインで使うケースとしてどれを選択するのか…。

MONOのギターケースは、エレクトリックギターが2本入るタイプのものを持っている。MUGEN Blastersのライブはノンストップでパフォーマンスする為、弦が切れた時の事を考えてギターを2本持っていく事があり、その時にこのケースを使っている。黒人のファンクギタリストがライブに来る もしくは 共演するので、予備として2本ギターを持っていく、という時にもこの2本入りケースが役立つ。

MONOのギターケースは少し高めの価格帯だが、とにかく保護力が高い。MUGEN BlastersのベースぺレイヤーもMONOのベース用ケースを使っている。

NAZCAのギターケースは、ES-350Tタイプのフルアコ用に購入したのが最初。EASTMANの薄いボディのフルアコにはハードケースが付属していたが、これがデカい。Thin Body専用でも無いので厚みもある。よって、このギターを外に持ち出す頻度が下がる。NASCAのギターケースの軽さ・保護力・作りの良さは以前から知っていたので、MONOより更にお高いが、丁度ES-350TやByrdland用のサイズで Thin Body用の出物が特価販売されていたので入手した。多分、誰かがオーダーしてキャンセルしたんじゃないかな…。

実際にNAZCAのギターバックを所有すると分かるのだが、使い勝手が最高。家に置いていてもハードケースや他のソフトケースよりは場所も取らないし、持ち運ぶにしても必要な機能は全て付いている。出物だったので色がブラックで味気ないのが唯一のネガティブポイント。

KAWAI Moonsault 25 anniversary Modelを持っているのだが、これも長方形型のハードケース付属。これがまたデカい。ケースを開けると当然 三日月形にくり抜かれている。いつかはオーダーメイドで三日月形ケースを作りたいと思っていたので、数年前に満を持してNAZCAでオーダー。ものすご~く高いのだが素晴らしい仕上がりのケースが出来た。何しろフルオーダーなので、必要な機能は満たしているし表面の素材も特別な素材を使っていて派手。

■ギターケースの比較
(1) 保護力 MONO > Noah’s Ark = NAZCA
MONOのギターケースに入れておけば、ギターケースを倒しても多分ビクともしないし、クッション性が高いので、飛行機移動の際でもハードケースに入れて預けるより安全な気がする。全ての方向からの圧に安心感がある。リチャードは、ギターをメンテナンスに出すためにハードケース+段ボールの梱包で、東京→大阪を宅急便で送った時にテレキャスターのノブ周りに圧が掛かり、Podやコントロールパネルが損傷した経験があるので、ハードケースが一番保護できるという考え方は持っていない。

Noah’s Arkのギターケースも、MONOには負けるが通常使用であれば十分なパフパフ感を感じる。但し、レスポールなどのセットネックでネックに角度が付いているギターは要注意なのには変わりが無い。ギターケースを立てて置く際にボディのエンドピンへの圧が気になるので、ギターを入れる際にはエンドピンのところにウェスを詰めて使っている。

NAZCAのギターケース、普通に使う分には十分な保護力がある。他のケースに比べて小ぶりなので心配にはなるものの、全ての方向からの圧に対するクッション性はある。

ネックサポート(ネックレスト)について、MONOは標準装備の上、ネックを固定するベルトも付いている。

NASCAはネックサポートはオプションで設定可能。今回リチャードが購入したNASCAのケースはネックサポート付き。NAZCAのネックサポートはオプションでMONOの様なネックを固定するベルト付きも用意されている。
Noah’s Arkにもネックサポートは付属している。それ以外に収納するギターの形に合わせて内部の仕切としてベロクロで任意の位置に固定できるクッションが付いている。

ケースの底面の汚れや傷を防ぐ足ゴムは、3つのケースとも原則付いている。
ソフトケースの重要だと思う保護機能の一つが、この足ゴム(ケース底面保護パッド)だとリチャードは思っている。

家で保管する際、ソフトケースは積み重ねず立て掛ける。
ライブやリハーサルで外で使う場合、ギターを入れた状態では、ほぼ必ず立て掛けて置く。移動していて電車内にいる時、横断歩道で信号待ちしている時など、担いでいるの降ろして下に置く。必ず、底面が地面や床に触れる。
一方、ギター自体にはストラップをひっかける為のストラップピンというのが2つあって、一つはボディのお尻(?)についている。ケースに入れた時、これが地面に設置する部分で、飛び出ている。ギターケースで何かに接触する頻度が高い部分は、ギター本体の出っ張り部分という事で、ここを保護するのがとっても重要。
NAZCAブランドの毛ギターケースは足ゴムがオプションなので、付いていない方が標準。でも絶対に付けるべき。

(2) 軽さ NAZCA < Noah’s Ark < MONO
NAZCAのケースは圧倒的に軽い。楽器屋さんで実際に持たせてもらえば瞬間に分かるはず。「えっ?」っていうくらい軽い。
Noah’s Arkのケースも十分軽量で許容範囲である。10年使ってきてケース自体が重いと感じた事は無い。
MONOのケースもソフトケースとして考えると特別重いとは思わない。…が、3つの中では明らかに重量を感じる。これは実際の重量もそうだが、あとは持ちやすさ、担ぎやすさも関係している。

(3) 大きさ NAZCA < Noah’s Ark < MONO
NASCAは必要最小限の大きさ。そして厚みが抑えられているので、家で保管して置く際にも場所を取りづらい。
Noah’s ArkはNASCAより少しふっくらしている印象。
MONOはNASCAよりふたまわり大きい。特に、厚みがある。
ライブで狭い楽屋に対バンさんの楽器と共に機材を置いておく際、全てのギタリストとベーシストがMONOのケースを使っていたら、幅取るのでホント邪魔です。

(4) 使い勝手 NAZCA > Noah’s Ark > MONO
ライブやリハでギターを持ち運ぶ、持って歩く、車に積む、電車で移動、楽屋に置く、スタジオの待合室で立てかけておく、打ち上げの居酒屋で壁に立てかける、などを想定した使い勝手を考える。

軽さ、大きさではNASCAが圧倒的に良い。
前面フロントポケットの上部に取っ手があるかどうか?NASCAとNoah’s Arkにはこの取っ手がある。MONOには無い。これがあるかどうかで使い勝手が全く違う。車に積む際も、電車で移動の際も、スタジオなどでちょっと楽器を移動させる場合も、この取っ手があるか無いかは大きい。狭い日本での使用を考えると、実はこれが大きなポイントになる。

MONOはUSブランドだけあって、こういう使い方は想定されていないのだろうな。ちなみにMONOはフロントには持ち手が無いのだが、裏側に付いている。でも前側に付いてないと使いにくいのだよ。

MONOのケースの難点は、背負った時にギターがものすごく高い位置になる事。ネック部分が頭からずどーんと上に伸びてしまう。狭い日本には全く合わない仕様だ。担いだまま もしくは片方だけ肩に掛けたまま電車には乗れない。電車のドアに引っ掛かる。
「お疲れ様ぁ~!」といってライブ会場を後にする際、会場の防音ドアの出口にヘッドが引っ掛かって出れない。防音ドアの上に壁掛け時計があると、ケースが直撃して壁掛け時計が落ちて破壊される。(MONOのケースで実際に起きた)
MONOは、左右のショルダーベルトが肩からずれるのを防止するバックルが付いているのは高評価ポイント。他にこれが付いているバッグは無い。ただ、上記の通り、ネック部分が飛び出るので、他のバックより肩から降ろして使う頻度が高い…。

Noah’s Arkのケースは普通に背負える。撫で肩のリチャードはショルダーベルトがずれ落ちてしまうのが嫌なところ。肩ずれ防止バックルは1000円以下で買えるので、後付けで用意すれば良いんだけどね。
NAZCAのケース、中に入れているギター本体の重量にもよると思うが、担いだ際のバランスがとても良い。

(5) 収納 MONO > NAZCA > Noah’s Ark
収納量で言えば、MONOとNASCAは同じレベル。
Noah’s Arkはネック上部のポケットが無いので、その分の収納量が少ない。
MONOはフロントポケットが大きく開くので出し入れがしやすいし、ケーブルをひっかけるベロクロがあったり、ネックサポートのベルトにもピック入れがあったり、至れり尽くせり。その分、重量が重くなるのだが…。

(6) 雨に強いか MONO > NAZCA > Noah’s Ark
ケースの生地とファスナー縫合部の作り方の問題なので、実はこの3つの候補であればどれも大差ない。特にNAZCAの場合、セミオーダーなどで防水生地も選べるし、通常ラインの生地でも雨が降っている外に何時間も雨ざらしにはしないし。生地がつるつるした感じなので一応MONOが一番にしておいたが、甲乙はつけがたい。

(7) 見た目・デザイン NAZCA > MONO > Noah’s Ark
好みの問題なので優劣はつけられない。リチャードはどれもアリと思う。
MONOはデザインが特徴的だが色も黒かグレーしかなく、もし並んでおいてある場合、自分のケースをすぐには判別出来ない。
Noah’s Arkはカラーバリエーションが豊富だが、MONOやNAZCAと比べるとカジュアルな感じ(高校生が使っているギターケース)にも思える。
NAZCAは黒以外であれば、個体を特定しやすいし、お高いので持っている人は少な目だし、オーダーするならいくらでも色やデザインに凝れる。

(8) 価格 Noah’s Ark < MONO < NAZCA
ざっくり言うと1万円 < 2万円 < 3万円という感じ。
何度も書くがNoah’s Arkのケースを10年使ってきたので、お金を掛けたくなければNoah’s Arkのコストパフォーマンスが最高。

Noah’s Ark GSH 9,600円 (税抜き)
MONO Classic Electric Guitar Case Black M80-EG-BLK 19,500円~24,000円 (税抜き) 2.3kg
NAZCA Protect Case for ST/TL/LP (楽器店特別仕様) 29,500円 (税抜き) 1.3kg

■今回の選択
NAZCA Protect Case for ST/TL/LPを購入した。
「ギターケースを買い替えたいと思った時に、楽器店特別仕様で赤系のNAZCAケースがあった」というのがポイント。NAZCAのケースは球数が少ないのでタイミングが良かった。
特別仕様で必要と思うオプションが付いていたし、色がBurgundyで赤系だったし、使い勝手を優先で考えても選択肢としては良かったと思っている。
買いに行った時、MONOのケースも見せてもらって軽く触ったりしたのだが、予想通りの内容だし、持ち比べた瞬間に圧倒的に軽いNAZCAを選ばない訳が無い。

使用感を書きたくなったら追記するかも。

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