平 陸 featuring Tony Maiden ライブ @ ハーミットドルフィン 浜松

2016/1/24(日) Riku TairaのBirthday Live feat. Tony Maidenを観に、浜松のハーミットドルフィンまで行ってきた。

■雪の予報
前回は2014年11月末に同様のJam Liveがあって、その時は浜松 ハーミットドルフィンと清水 Marcome Hallまで観に行った。ハーミットドルフィンは落ち着いた雰囲気の店内で、とても綺麗なお手洗い。小さな箱だがドラムセットが置いてあり大き目な音が出せる。流石にドラムにマイクは立っていないが、陸くんのプレイならキックも十分聴こえる。こういうお店は長く続いていって欲しいなぁと思う。

2014年末のJamではベースがHead HuntersのPaul Jacksonで、Tony Maidenを観に行ったはずのリチャード的には初Paul JacksonのThe Funk Grooveに打ちのめされたのだった。演奏中のオーラも含めて。今回はベースがSokusaiという全く知らない日本人の方。どうだろ?
更に、今回は1stと2ndが入れ替え制で、さらにチャージがお高めに設定されている。陸くんの成人祝いのご祝儀と考えても、ガス代や高速往復だけで1万超えるのでどうしようか?さらに雪の予報。いくらTony Maidenとは言え、かなり迷った。同じ日に東京で観たい知り合いのライブもあったし。前回も一緒に観た愛知から参戦予定の友人も「雪だから今回は残念ながら見合わせえる」との事。
で、どうしたかというと、浜松まで行ってきた!静岡まで行ってしまえば、雪は無いはずだし(静岡って雪が積もらないんですよね?)、SUBARU フォレスターでスタッドレス履いてるし、東名が通行止めになるほどでは無さそうだし、Tony Maidenだし、今回も何か変なギターを持って来てるし、新しいエフェクターも試すと言ってたし。

当日、東名川崎近辺は快晴、東名御殿場も雪は降って無い。非常に快適に浜松まで行けた。途中、由比で海を眺めなら休憩。富士山が綺麗だった。12:00に家を出て15:00には目的地に到着。ちょっと混んだのは浜松市街地のみだった。前回も来ているので迷うことなくお店の隣の駐車場にイン。12時間でmax1000円。東京に比べると楽勝だ。浜松も快晴で外気温5℃。
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■浜松 ハーミットドルフィン
ハーミットドルフィンの入り口まで行くと、誰も並んでいない。
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お店の中からサウンドチェックの音が聴こえる。Princeの曲、いい感じTonyが歌ってる。George BensonのSix To Fourの頭が合わず、5回くらい練習してなんとなくサウンドチェックと終えた。サウンドチェックが終わると、Tonyが新しいエフェクターを試している音が聴こえてきた。2016年3月に発売予定のBOSS VO-1 Vocoderに違いない。Tonyが一緒に演奏したSAXプレイヤーがこんな感じのエフェクターを使っていたらしくどんなエフェクターだか知ってる?と問い合わせが来ていた。今は丁度NAMM Showのタイミングで、コンパクトタイプのエフェクターとしてVO-1が発表されたばかり。今回の来日に合わせてBOSSの人と調整してお試しで使ってみると言っていた。

程なくしてエフェクター遊びも終わり、TonyがMichikoさんと出て来たので挨拶して開場を待つ。
誰も来ない…。
と思ったらお客様が一人来た。雪の為、今回のライブ参戦を見送った愛知の友人だった。「雪降らなかったから来ちゃった」との事。心強いぞ!

16:00過ぎにお店の中に入れてくれて、Tony Maidenかぶり付きシートに座る。いつもの足元とアンプ。BOSS GT-10、CryBaby、JC-120で今回はBOSS VC-1がセットされている。Vocal用とは別にVC-1用にももう1本マイクがセットされている。ブームスタンド2本はちょっと邪魔。ギタースタンドにギターが置かれていないので、まだ何のギターを使うかは謎。
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前回はステージ中央がPaul Jacksonだったが、今回はステージ中央がTony Maiden。陸くんのスネア、胴が深いがいつもタイトでイイ音がするんだよな。チューニングと叩き方なんだろうな。ベースアンプがとても小さいのが気になるが大丈夫なのかな?
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■1stステージ
ハーミットドルフィンのマスターの一言の後、1stステージが始まる。
Tonyは黒のGibson Nighthawk(Les Paulの様なシングルカットのボディでストラトの様な5wayスイッチが付いている)を抱えている。指板は薄い色のRoseなので古いギターでは無さそう。ポジションマークはドットタイプ。そしてこのギター、ホコリまみれ。笑 薄っすらと木目が見えている様な気がするのは気のせいかな。あとでTonyに聞いてみよう。
トニーメイデンはどんなギターを使っても同じ様な出音だ。Nighthawkを抱えたTony Maidenはカッコいい。以前、Gibson Les Paulやフルアコを抱えている姿はカッコ良かったもんな。
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人の曲をJam的に演奏する場合、余程何かが無いと退屈してしまうのだが、今回は幾つかの理由で飽きずに聴けた。
・Tony Maidenがギターだから。
ヒーローですから。年齢を重ねるとパワーが落ちたり、キレが無くなって来たり、するのだが、Tony Maidenは30年前に比べると凄いパワーアップしているし、ここ数年でも衰えが無い。ここがNile RodgersやAl McKayと違う。Ray Parker Jr.はリズムギターに関しては衰えてないが、昔の様な気合が入ったリズムギターを弾かないし。

・陸くんのスネアの音が好きだから。
スネア、今回もイイ音してた。ハイハットもガシッと締まっているし。さらに昨年にも増して、色々な曲を聴いているのか演奏しているのか分からないが、FunkやR&Bの雰囲気をより汲み取ってきている様な演奏に感じた。
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・羽仁さんのキーボードは安心して聴いてられる。
安定のバッキングとエキサイティングなフレーズを繰り出すアドリブもいい。
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・Sokusaiさんのベース、素晴らしかった。
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初めて聴いたけど、この方のベース、大好きです。トーンも良いし、1拍目がズーンと沈んでいくのが気持ちいい。そして、Grooveさせるベースライン。なんて気持ち良いのでしょう!直接お話しできなかったが、羽仁さんによると10年くらいアメリカで演奏していた方らしい。ツボを押さえたベース、素晴らしいです。アンプが小さいのも心配だったが、ベースアンプではなくPAから出てくるベースの音が凄くよかった。

・選曲が興味深かった。
今回のセットリスト、メンバーのリクエストなどで構成されているらしいが、その中でもSweet Music / Tony Maidenが入っているのが今回1番の楽しみ。Tony Maiden唯一のソロアルバムに入っている曲。これを生で聴けるのが嬉しくって!それ以外にも、Hang Up Your Hang Ups / Herbie HancockやFred / Tony Williamは楽しみ。Hang UpはWah Wah WatsonとRay Parker Jr.のリズムギターが半端ない曲で、高校1年の時にこれを聴いて2人を追いかけ始めた。Fredは、Allan Holdsworthを追いかけていてLife Timeに出会い、Tony Williamのド迫力ドラムにはまった2枚のアルバムの内、Believe Itに入っている曲。

・BOSS VC-1のサウンドを聴ける。
リチャード自身、MUGEN Blastersで常にトーキングモジュレーターを使っているが、それをお手軽に再現できるこのコンパクトエフェクターには非常に興味がある。多分、リチャードはこれをメインで使う事は無いが、どれだけの音が出せるのかは興味深々。

1stのSet Listは控えるの忘れてしまったが、10曲くらいあって、結果、時間切れの為に3曲くらいカットされた。内容はだいたいこんな感じだった。(演奏順は覚えてない)
1st Set List
Hang Up Your Hang Ups / Herbie Hancock
Don’t Look Any Further / Dennis Edward
Back On The Road / EW&F
I Want You / Marvin Gaye
Fred / Tony Williams
Knuckle Head / Grover Washington Jr.
Purple Rain / Prince
Them Changes / Buddy Miles

Tonyのギター、相変わらずカッコいい。流石に何度も目の前で観てるし、スタジオレッスン?で教えて貰ったのでどうやって弾いているのかは分かるのだが、真似できるものでは無い。Jimi HendrixとかAlbert CollinsとかJames Blood UlmerとかCornell DupreeとかTony Maidenは、テクニック + Feeling + 気合で弾いていると思うので、昔からとても真似しづらいです。特にTonyは指弾き8割で思いっきり弦をヒットしているので、1曲真似られたとしても、指が痛くなって1週間はギター弾けなくなっちゃう。
今回も客席から「トニーってかっこいい、どうやって弾いてるんだ?」という声が聞こえてきていた。生で観ると分かるんですよ、トニーメイデンの凄さが。

Fred / Tony Williams、どう料理するのかと思っていたが、曲の後半の陸くんのドラミングがカッコ良かった。Tony Williamsのフレーズを沢山入れてきて「そうそう、それそれ!」って感じ。本人の演奏じゃないとしても、この曲を生で聴ける日が来るとは思ってなかったから嬉しい。

90分のステージで残り15分となり、最後の曲になってしまった。
おいっ!セットリストには書いてあったのにSweet Musicが演奏されなかったじゃないかっ!
Tonyがギター弾きまくっちゃって時間切れでした。
これは2ndステージに期待するしかないか…。

■Prince
ステージ中のMCで陸くんが今回のライブについて話していた。
「今回のライブ、決まった後に開催できるかどうか微妙な状況になりました。ライブが決まった後に、トニーさんのとこにPrinceから連絡が入り一緒に演奏するオファーだった。その日程が日本でのライブと同じ日だった。トニーさんがPrinceのオファーを蹴ってこのライブの為に来日してくれた。本当に感謝しています。その後、Princeから『やはりTonyと演りたいから日程をずらす』と連絡が入ったのです。結果的に僕の誕生日ライブの為にプリンスが日程をずらす事になりましたが、もう何が起こっているのか解りません。汗」
最初の予定ではTony Maidenは2月初めまで日本滞在の予定だったが、急遽、1/28に帰国する事になった。翌日、Princeのスタジオに向かうらしい。ステージ上で二人がテレキャスターを弾く姿を観てみたいな。

■Tonyとの会話。
入れ替え制の為、一旦外に出て、車で少し休んで再度入場。関係者のご配慮で、再度、かぶり付き席に座らせてもらった。
お腹がすいたので、開演までの1時間、ハーミットドルフィンのカレー6種類からキーマカレー選んで食べる。600円。美味しい。

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開演前までの時間、Tonyが客席でうろうろしていたので少し話す。
リチャ「あのギター、また買ったの?」(2014年に来日した時に、Tonyは静岡のお店でUsedのGibson SGを買っていた)
Tony 何故か焦って「違う!違う!」
Tony 「前のSG、覚えてるだろ?サンフランシスコであのSGとこれをトレードしたんだ。オレのスタイルにフィットしていると思うんだ。」
リチャ「Les Paulスタイルのギターは似合ってるよ。あのギターは重いの?」
Tony 「あのギターは重くないんだよ。Moonのテレキャス、お前も同じのを持ってるよね?すっごい重いじゃん。だから…。このギターは使いやすいんだよ。」
リチャ「BOSSのVocoder、使ってみた感じはどうなの?」
Tony 「とてもユニークだね。和音を出した時の感じが調整が必要だけど、イイよ。」
リチャ「マイクは専用に一つ必要なんだね?」
Tony 「だね。前に一緒に演奏していたSAXプレイヤーが使っていたのは古いタイプで、今回のが新しい製品だね。」
リチャ「僕はずっと古いトーキングモジュレーターを使っているから、あれは興味あるよ。トークボックスってすっごい重いじゃない?」
Tony 「だろ!ドライバーがデカいし重いんだよ。アンプと繋がないといけないから大変だし。ホース咥えたくないんだよ。頭がガンガンするし、のどにホースが入ってオエッってなるし。笑」
リチャ「お願いがあるんだけど…」
Tony (ニヤリ…)
リチャ「2ndではSweet Musicを演って欲しいんだよね。ナマで聴けるのを楽しみにしてたんだよ。」
Tony 「OK OK、そうするよ。あの曲、生で演奏するのは初めてなんだぜ!おれも演奏するのが楽しみなんだ。」
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2ndステージ、リチャの前の席には一人で来た若者が着席。聞くと高校3年 18歳でドラムをやっているらしい。小学生の頃に陸くんのドラムを見て影響され、生で演奏を見るのはそれ以来との事。ご両親がメタルが好きで、自分もメタルバンドで叩いている。チャージは安くないが、今回はお父様が「お金出すから見てこいっ!」って言ってくれたんだって。良い家族だなぁ。

■2ndステージが始まる。
2ndステージが始まる。
セットリストは変わっていて、最初から8曲しか書かれていない。Sweet Musicは含まれている。良かった~。Fredは削られてしまったけど。
サウンドチェックで出だしが合わなかったSix To Four、やはり合わずに全員がTonyに合わせる形で演奏開始。途中もスリリングな展開が多々あり、こちらもヒヤヒヤしながら聴いていたがJamはこれも楽しい。

2nd Set List
1.Six To Four / George Benson
2.Don’t Look Any Further / Dennis Edward
3.Hang Up Your Hang Ups / Herbie Hancock
4.Sweet Music / Tony Maiden
5.When I’m with You / Riku Taira
6.Back On The Road / EW&F
7.Purple Rain / Prince
8.Them Changes / Buddy Miles
アンコール I Want You / Marvin Gaye

1stと2nd 、それぞれ良いところがあった。陸くんのMCも微妙にニュアンスが違う。ライブは生もの。ライブって観た分だけ得るものがあるね。
トニーは最初の曲でVocoder VC-1を使おうとして、上手く音が出ずに、それ以降使わなくなってしまった。電池駆動させていたので、バッテリー切れだったのかな?1stではいい感じの音が出ていたもんね。
1st では実験的にVC-1を使ったサウンドが良かったし、今回の来日で初の本番という事で、プレイヤー同士のアイコンタクトも間近で見ながらスリリングに楽しめた。
2ndでは、Them Changesにおいて「これぞトニーメイデンのスーパーリズムギター!」が観れた。あの指弾きリズムギターは神ワザだ。特に、ギター弾く人が見ると最初は皆???になる。さらに立ち振る舞いがカッコいいので惚れる。
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Tony Maiden本人が歌って弾くナマSweet Music、幸せだった。
Sokusaiさんのベース、さらにGrooveしていた。本当にいい音。ペダルワウ、ああいう風に使うのか。勉強になった。(リチャはギターだけど…)

■浜松からの帰宅
21:45に浜松を出発し24:10に帰宅。東名浜松ICから東名川崎ICまで2時間強をNon-Stopで走り切った。偉いぞ、フォレスター!
Non-Stopと言えば、’70~’90のFunk Coverをノンストップでパフォーマンスするバンド MUGEN Blasters (ムゲンブラスターズ)。次回は2/21(日)にファンクイベント「城南ファンク! Vol.1」に出演します。対バンは若手タテノリ系ファンクのThe Rumbling Sounds、ガジェットを駆使してファンクするサイモンガー・モバイル。
https://www.mugenblasters.com/live-information/20160221-live/
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■Tony Maidenを体験したくない?
日本の場合、メディアに取り上げられないと中々有名にならないのは昔から変わらない。Allan Holdsworthもリチャがレコード探し回っている時は殆どのバンド仲間は名前すらしらなかった。David T Walkerも山岸潤史が取り上げるまで火が付かなかったし。Tony Maidenは日本ではこのままの知名度かもだけど、欧米ではBig Name。今回は浜松でライブだったし、トニー来日を知らなかった方も多いと思うが、もう1日だけライブがあります。1/27(水)モーションブルーで同じ面子での予定がある。
http://www.motionblue.co.jp/artists/taira_riku/
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今後プリンスと何か起きるかもしれないし、今の内に見ておくと良いのでは?
トニー以外は日本人プレイヤーだけど、各プレイヤーがそれぞれお奨めです。同じライブを観ても人によって感想が違うんだけど、今回のライブでのリチャ的な見どころは3つ。
・羽仁さんの安定したサポートプレイとアドリブ。
・陸くんのトニーウィリアム的なパワードラミング(Fredがモーションブルーでのセットリストに入るか分からないけど)とスネアの音。
・Sokusaiさんのベースのトーンと音価。

モーションブルーでお会いしましょう!

2016/1/27(水) Motion Blue 横浜でのライブ参戦記事はこちら。
https://www.mugenblasters.com/2016/01/28/riku_tony_live_in_yokohama/

Special Thanks : Michiko Matsuura, Tony Maiden, Yae Taira, Yoshihiro Fukuta

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