ギターのエフェクターボードの中身を変更した。
変更の目的は3つ。
・ライブパフォーマンスで、結構な確率でフットスイッチを踏み間違えるのを改善する。
・歪ませていないのにアンプ(JC-120)からの出音が歪む事があるので接続を見直す。
・シンセベース的なニュアンスを出す為にオクターバーを使っているが、オーディアンスにその意図が伝わっていない事が判明したので考え直す。
で、5つのポイントを変更した。
思っているTo Beな姿までは行きついていないのだが、変えるのにもお金が掛かるので、Phase1って感じ。
<2016年のペダルボード改善Phase1>
1.スイッチャーのDistortionのスイッチ位置を変更
2.eva電子 / Sound StabilizerをSound Stabilizer(PHC-1)からFinal Stabilizer(PHC-2F)に変更
3.MAXON / CS-9 pro(コーラス)とxotic / RC Booster(クリーンブースター)を改造
4.BOSS OC-2(オクトーバー)を抜いて、Strymon El Capistan(テープエコーシュミレーター)を接続
5.Sonic Research ST-200(チューナー)をST-300 miniに変更
■フットスイッチの踏み間違いを軽減
リチャードの場合、曲中に弾きながら頻繁にスイッチを切り替えるエフェクターは決まっている。足元を見ないで切り替えるのは「トーキングモジュレーターへのライン切り替え」と「Distortionのオンオフ」だけ。それ以外は、曲中でも余裕がある時に切り替え可能なので踏み間違えが少ない。
「トーキングモジュレーターへのライン切り替え」は、ボード右下に配置したAB Boxのフットスイッチで操作するが、周りに他のスイッチが無い様に配置しているので、少しぐらつくけど、パフォーマンス上の問題は無い。
「Distortionのオンオフ」はスイッチャーのスイッチ4つの真ん中に設定していたので、ライブの際に左右のフットスイッチも一緒に踏んでしまう事が多い。One Control Tail Loop 2 (3Loop)はとてもコンパクトで素晴らしいのだが、それゆえ、フットスイッチ同士の間隔が狭い。ライブでパフォーマンスの際は、真ん中のスイッチを踏むと左右どちらかを一緒に踏んじゃう。
なので、Distortionの割り当てを一番左に変更した。エフェクターの繋ぐ順番が「うむむ」になってしまうが妥協。スイッチャーの内部配線を変えちゃえば良いのだが、このTail Loop、簡単に開けられないので、いずれ考える事にする。
この結果、リハで試したら操作性が向上して、S.O.S. Bandのカバーなどの際、演奏にも余裕が出る様になった。
■エフェクター接続の見直し
数年前から悩んでいるのだが、歪ませていないのにアンプ(JC-120)からの出音が歪む時がある。いつもこの現象が出る訳では無く、リハでも本番前のサウンドチェックでも大丈夫なのに、本番で少し歪んだ音になっちゃう事がある。
別件だが、ステンレスフレットに打替えて反応が速くなり押弦のタッチが明瞭に出音に反映される様になったので、更に出音を明瞭に出来ないか?…という思いある。
そこで2014年頃から気になっていたエフェクターのインピーダンスマッチングをしてみた。
<インピーダンスマッチング>
通常、エフェクターは「入力 Hiインピーダンス、出力 Low インピーダンス」で作られている。これはエレクトリックギターやエレクトリックベースの出力がハイインピーダンスで出力(アクティブピックアップ搭載モデル除く)されているから、それを受ける為にという理由。ハイインピーダンスはノイズに弱い。エフェクターの最初にバッファーを繋ぐのもHi→Low変換の意味がある。
最初のエフェクターでロー出力された信号は、次のエフェクターのハイ入力に受け継がれる。ロー→ハイなら大丈夫?という考え方なのだが、エフェクターボード製作で有名なPete Cornish(ピート・コーニッシュ)がボードを組む場合は、「ローで出力されたモノはローで受ける」という考え方らしい。頼りにしている大阪のeve電子もエフェクターの入力をローで受けられる様にする事を推奨している。
エフェクター製造メーカーは、エフェクターが単体で使用されることを考慮するとロー受けで作るのが難しいのか…。
さらに、リチャードの場合、ワイヤレス使用なので、ペダルボード上はワイヤレス受信機からロー出しされた信号から始まる。ハイインピーダンスの信号はギターからワイヤレス送信機までGeorge L’sのパッチケーブル15cm部分しかないのだ。
持っているエフェクターを全てLow入力に改造するにはコストが掛かっちゃうので、手始めに常時Onにしているペダル2台のみエバ電子のLow Impedance Modに出してみた。
・MAXON / CS-9 pro(コーラス)
・xotic / RC Booster(クリーンブースター)
作業内容は抵抗を追加する位?なのかもしれないハズだが、改造コストは少しお値段が張る。そこはノウハウ料という事で。エバ電子は本当に対応が親切だし早い。
One Controlにも自分が使用しているスイッチャーについて質問を出したのだが、激早の返信にビックリ。これらのベンダーさんは頼りになります。
そのエバ電子製のSound Stabilizer (PHC-1)というバッファーを何年も愛用しているのだが、これも実は「入力 Hiインピーダンス、出力 Low インピーダンス」になっている。ダメじゃん。
当然エバ電子からは「入力 Lowインピーダンス、出力 Low インピーダンス」版のFinal Stabilizer (PHC-2F)が発売されている。これに買い替えなきゃ…と思っていたのだが、経済事情もあるので今回は諦めた。
その時、「それ持ってるよー!今は使ってないから持って行こうか?」という素晴らしい人が登場っ!
ありがとう、ブラザー!ギター弾き同士のメリットがいかんなく発揮されている(笑)。
めでたくSound StabilizerもLow受けバージョンに入れ替わった。(勝手にボードに組み込んでしまった…とも言う)
通常のラインではDA-Boosterだけが残っているが、それは別途考えよう。
<結果>
出音は「驚くほど変化」とは言わないが、かなり変わった。
・低音域がクリアに持ち上がった。
・高音域も少し持ち上がった。
・透明度が増した、というか、乾いた音になったというか、音質が変化した。ここでいう乾いた音とはVintage Toneって事ではなく「GRECOのDry Pickupが持つ乾いた音」のイメージ。
・全体的な出力が高くなった気がする。
バランスを取る為に、スタジオのギターアンプ(JC-120)のボリュームを1目盛り、Bassは1.5目盛り、Trebleは1目盛り いつもより下げた。
そして新たな課題も出て来た。
・出音がさらに鮮明になり、より一層、演奏の粗が目立つ。
・Low Impedance ModしていないペダルをOnした時の音質の差が気になってしまう。
残りのペダルのModは徐々に進めて行こう。
ところで、インピーダンスマッチングは、そもそも課題の「音が歪むことがある」という部分についての解決策にはなっていない気がしている。
■オクターバーを外す代わりにテープエコー
シンセベース的なニュアンスを出す為にオクターバーを使っていたのだが、ライブの感想を聞いているうちに「ギターの音が歪んでた…」などオーディアンスに意図が伝わっていなかった事が判明。
ライブでバンドの入れ替え時間に余裕がある時は、シンセベースとしてARTURIA Mini Brute(アナログシンセサイザー)を持ちこむ事もあるが、ステージセッティングに時間が掛かるし、ステージが狭くなっちゃうので、ギターエフェクター(オクターバー BOSS OC-2)で代用する為にボードにセットしていた。リチャードの設定がイマイチなのもあるが、聴いている側はシンセベースに感じられない様なので、オクターバー作戦は止める事にした。
BOSS OC-2を抜くとペダルボードに空きスペースが出来るので、代わりに何か追加できる。使いたいペダルは沢山あるのだが、どれもガタイが大きいヤツばかりで困った。KORG Nu-Vibe, Fulltone Mini Deja Vibe, Prophecy Sound Pi-Phase, Oberheim VCF-200など、どれもサイズが大きい。
そこで、Wah Wah Watsonごっこをする為に入手していたStrymon El Capistan(テープエコーシュミレーター)をボードにセットした。
テープエコー好きのリチャードにとって、Strymon El Capistanはありがたいペダル。Roland Space Echo RE-501を所有しているので、本当はそれを使いたいのだが、ライブやリハで使うには重いしデカい。
アナログペダルで攻めたいが、テープエコー効果をアナログディレイで再現するのは無理がある。他のテープエコーシュミレート製品は出音がデジタルデジタルしてる。StrymonのEl Capistanは普通のペダルより少しだけ大きいけどとても軽い。何よりも出音が素晴らしい。本物のテープエコーとは、もちろん出音は違うが、かなり近い。ツマミが多くて本家に似せる設定にするのが大変。(本家は使った瞬間に本家の音だから…)
Strymon El Capistanのお蔭で、ライブに本物のSpace Echoを持ち出す事は多分もう無い。スプリングリバーブ効果も付加できるので至れり尽くせり。
リチャードはアナログペダルを使う事に拘っているのだが、Strymon El Capistan(テープエコーシュミレーター)とBOSS DD-2 / DD-3(デジタルディレイ)だけは別。
MUGEN Blastersは、PA側でリバーブやディレイは掛けないし、バンド全体で残響を排除した音作りのバンドなので、エコーを使う機会は殆ど無い。それでも一瞬だけ残響系エフェクトを使いたい箇所があるのだ。
■スペースが無いのでミニペダルに変更
Strymon El Capistanをボードにセットしたら、Sonic Research ST-200(通称:ぐるぐる君、チューナー)のスペースが取れなくなってしまった。なので、既に入手済みのSonic Research ST-300 miniに入れ替える事にした。前のグルグル君より小さいヤツ。チューニング機能は変わらず信頼性は抜群。使用感も変わらない。
■Next Step
今回のペダルボードの中身の変更、なかなか良い改善になった気がしている。
余裕ができたら、Low Impedance Modを進めていきたい。
DA-BoosterをModすれば、通常直列ラインのLow Impedance化は完了するから早めに変更したい。
スイッチャーに接続しているCMAT Mod / Ratified(ディストーション)の位相も気になっているし、MXR / Phase90(フェイザー)はOnにすると位相反転するのが判明している。デジタルペダルのLow Impedance Modは更にお値段が張るが、効果が有りそうな予感。
以前使用していたRadial DRAGSTERという機器をまた使ってみたいのだが、部屋のどこに有るのか行方不明。これも「抵抗1発」っ的な機材だが、効果があるんだから仕方が無い。
コンパクトに凝縮されてますね〜
Final Phaseもキレイに収まって良かったです。
ディストーションの接続順およびループスイッチ位置の問題ですが、Line6とディストーションの設置位置を交換できれば解決するような気もしますが、限られたスペースだと難しいんでしょね。
今後のバージョンアップも楽しみですな〜♪
秀王さん
Final Phase、綺麗に収まりましたー。
Line6受信機の部分にはフットスイッチ付きのペダルを配置しない様にしてるんですよ。そのおかげでAB Box使う時の踏み間違いが無いんです。
使いたいエフェクター達がみんなデカすぎるんですよ。