2018年 Fabio Hager Sexteto Japan Tour 初日を観に行ってきた。

2018/1/21(日)にファビオ・ハーゲル・セステート(Fabio Hager Sexteto)の2018年ジャパンツアー初日公演を観に行ってきた。
アルゼンチンタンゴの生演奏なのだが、リチャードが習っているアルゼンチンタンゴ群舞の課題曲がこのFabio HagerのEncanto Rojoという曲なので、それもあって観に行く事にしたコンサート。生演奏と共に歌も入り、タンゴダンサー4組のダンス付き。アルゼンチンタンゴの演奏をナマで聴くのが初めてだし、コンサートホールでプロのアルゼンチンタンゴダンサーを見るのも初めて。
こういうコンサートってどんな服を着ていけばいいの?とか思いながらいつものジーンズカジュアルで参戦。

アルゼンチンタンゴを踊ってるからなのだが、とても楽しくあっという間に2時間が過ぎていった。そして席が前から2列目ど真ん中だったのも好印象になった理由かな。更にチケットが高くないのも良かった。

2018年のFabio Hager Sextetoツアー、2018/1/21(日)から3/8(木)まで日本中でなんと31公演。ハードだ。
初日は相模女子大グリーンホール。キャパ1,790名。とても綺麗なコンサートホールだ。初めて行った。
会場に向かう段階で既にその匂いがしたのだが客層が…。

さすが、創価学会の民音の興行だけあって、ホールに向かう人達は65歳以上の先輩方がぞろぞろと歩いている。「ここは巣鴨地蔵通り商店街かっ!」って状況。ドレスコードとか気にした自分が馬鹿に思える。てか、この状況はちょっと恐い。大勢が集会に向かっている雰囲気。
ホールに入れば自分と同じ様にアルゼンチンタンゴを観に来た・聴きに来た的な人もいるだろう。

会場に入る時にパンフレットを渡される。出演者以外にセットリストまで全部書いてある。

なるほど、至れり尽くせりだな。
物販はFabio HagerのCDがあったので購入。見たことないやつだった。CD購入でサイン会に参加できるらしい。
ホールが綺麗なので1階席だけでなく2階席も見に行ってみた。綺麗。

お客の入りはというと、会場は2階席も含めて満席。
リチャードは素晴らしい席が取れていて、1階2列目のど真ん中。
最前列中央の方々は全員学会員であろう65歳以上のおば様達がずらっと並んでいる。2列目もほぼそんな感じ。恐い。
2時間の公演で間に15分の休憩があるので、その時にも見て回ったのだが、客層が99%が学会の方々の模様。自分と同じ感じの人は10人もいない気がした。まぢか…。
でも、民音興行のコンサートに行っている方々って、良いものをイイ感じの価格で見れると思うので、もしかしたら耳が肥えているのかも?とも思った。

時間通りに公演が始まる。
まず、簡単なアルゼンチンタンゴやバンドの紹介が日本語で流れ、幕が上がる。

Fabio Hager Sexteto
ファビオ・ハーゲル (Fabio Hager) (Bandoneon / Leader)
フリアン・カエイロ (Julian Caeiro) (Piano)
パブロ・アラウーホ (Pablo Araujo) (Contrabass)
ハビエル・ウェイントラウ (Javier Weintraub) (Violin #1)
ダミアン・ゴンサレス・ガンテス (Damian Gonzalez Gantes) (Violin #2)
フリアン・アレジャーノ(Julian Arellano) (Cello)
フェルナンド・ロダス (Fernando Rodas) (Singer)

奥行きがあるステージ、真ん中より客席に近い位置に演奏者がスタンバイ。更にその前にダンススペース。
バンドメンバーは下手からピアノ、コントラバス、バンドネオン(アコーディオンみたいなヤツ)、第1バイオリン、第2バイオリン、チェロと横並び。各自にモニタースピーカーが設置されている。
ステージの装飾にもお金が掛かっている。後のスクリーンに歌の翻訳が表示される。
Fabioの挨拶も話す事が決められているらしく、全て後のスクリーンに翻訳が表示される。

アルゼンチンタンゴの歴史やらFabio Hagerの活躍やらアルゼンチンタンゴダンス世界大会でMin-On賞なるものがある事など。知らなかった情報も映像付きで沢山あったし、こういう説明は観に来ている方々には分かりやすいからいいな、と思った。

演奏自体は素晴らしいし楽しめるのだが、Graham Central StationやBootsy Collinsに比べると音量・音圧が小さいので(当たり前)、リチャード的には迫力に欠ける。唯一、コントラバスの音がぐっと来るくらいか。チェロはおとなしい。常に冷静に聴く感じ。音はPA経由で全ての楽器の音が鮮明に聴こえる。多分、生音が一番小さいのがバンドネオンなのかも知れない。

迫力の面では、フェルナンド・ロダスが出てきて歌う時は違う。圧倒的な声量とダイナミクス。聴き入ってしまう。
彼が最初に出てきた時、歌う前には普通に登場したが、曲が終る頃には会場の雰囲気を察して、もの凄いドヤ顔を披露。
次、彼が歌う曲の時は、舞台袖から出てくる段階で既にドヤ顔。

ロダス (こんにちは。また俺です!どやっ!)
ロダス (曲のイントロでピアノにもたれたりしてカッコつけて、どやっ!)
歌い終わった時のドヤ顔も凄い…。
途中から少し笑ってしまったが、2列目で笑っている客(←リチャ)を見つけて、さらに「俺、凄いだろ?ん?」みたいなドヤ顔。

実際、凄いです。この人。
英語の歌ではないので(スペイン語?)良く分からないのだが、後のスクリーンには常に歌の翻訳が映し出されている。
リチャードの席は前過ぎるので、ドヤ顔おじさんのせいでスクリーンは殆ど見えない。笑
ナマ歌を聴いて「おお!」ってなったのは久しぶり。7~8年前のChaka Khan、5~6年前のAngela Winbush、7年くらい前のRufusのVocal隊で来日したMadam Dee以来かも。

演奏曲は、リチャードが群舞で踊っているEncanto Rojoはもちろん、聴きたいなと思っていた曲が聴けたので満足。新曲も披露されていたが「創価学会に捧げる曲」とか「民音創設者の考えに賛同して書いた曲」みたいな説明があって、学会員ではないリチャードは興醒め。でも学会員の方々は嬉しいんだろうな。一般参加のリチャードとしては肩身が狭い。

新曲2曲、会場で購入したCDに入っていた。Naikanという曲はナマで聴いて「好き!」と思ったのだが、帰宅後にCDで聴いたらそうでもなかった。やはりナマ演奏が好き。
CDはまだ1回しか聴いていないが、Encanto Rojoなど前の音源と同じ曲も入っていて、全部が新しい訳では無さそう。

今回のコンサート、プロのタンゴダンサーが4組出演するのも楽しみ。
特にタンゴダンス世界選手権ステージ部門チャンピオンのペアも出演。そのペアの男性は日本人。どんなタンゴダンスを観れるのかワクワク。

ダンサー (女性&男性)
コンスタンサ&ガルパル (Constanza & Gaspar) Dance Leader
アゴスティナ・タルチニ&アクセル・新垣(Agostina Tarchini & Axel Arakaki)
ルシア&ニコラス (Lucia & Nicolas)
ロシオ&ヘルマン(Rocio & German)

曲によってダンサーが入ったり入らなかったり。4ペアが出てくる曲もあれば、各ペアが1組だけで踊る曲もある。ニコラスとヘルマンは双子で、この2人で男同士のタンゴも披露。
最初から釘付けになったのはコンスタンサ&ガルパルのペア。特に男性の方のGaspar Godoy。ずっしりと安定感を見せて、かつキレがある。男性のリードが完璧なので女性が更に綺麗に見えて踊りやすそう。他のダンサー達との差があり過ぎて圧倒的な存在感。4組が並んで立っているだけでもGasparだけ違うオーラを放っている。
一瞬で大ファンになった。

どうやったらあんな感じで踊れるのかは全く謎だが間近でステージを観れて幸せ。
数日後にリチャードのアルゼンチンタンゴの師匠 JoeさんとMaikoさんに聞いたら2人はGasparと知り合いらしく、「ダンスもいいけど人としても素晴らしい」と教えてくれた。
2003年 第1回タンゴダンス世界選手権ステージ部門の優勝がGasparだったらしい。現在40歳くらい。

複数ペアで踊る群舞では、初日という事もあるがまだまだバラバラしている所が素人のリチャードにも分かった。公演を重ねていくうちに素晴らしい群舞になっていく予感がした。Dance LeaderのGasparは真面目そうなので、きっと細かいポイントを修正していくはず。

2017年チャンピョン、イケメンだった。カッコいい。ダンスはGasparと並んじゃうと余りにも差があり過ぎる。チャンピョンを獲った時の曲を音源を流しながら披露する場面もあったが、まぁ、そうなんですね、という印象。良く分からないけど、世界大会とかは若手のものであってベテランは出ないって事なんですかね。差があり過ぎるもんね。

アルゼンチンタンゴ世界大会のステージ部門での優勝者にはMin-On Awardが送られて、更に毎年 民音が開催しているタンゴ日本公演にダンサーとして参加できる事になっているらしい。

ニコラスとヘルマンの双子での男タンゴ、同じ顔なので、2人でアプラッソして(組んで)クルクルとヒーロ(回転)してると、もうどっちがどっちだか分からない。笑
男ダンスはパワーがあるのでキレッキレなのだが、やはりGasparが凄すぎて、そこまで「おおっ!」とはならなかった。

間に15分の休憩時間を挟んでの2時間のコンサート、本当に楽しい時間だった。日本語訳や背景の説明ビデオなどの演出もありだなと思った。
バンドネオンの生演奏だけでなく、圧倒的なシンガーがいて、プロのアルゼンチンタンゴダンサー4組もいて、結果、大満足なコンサートだった。
関係者の皆様には感謝です。

CDは買ったけどサイン会には参加せず。なんか部外者的な雰囲気だったので…。

追記
この公演の約1ヶ月後、日本中で公演してきた一同はこのツアー最後の東京公演があり、リチャードは2018年2月14日バレンタインデーの中野サンプラザ公演にも行って来た。この時も前から2列目のど真ん中。
相模女子大グリーンホールの時と違って、学会員ではないアルゼンチンタンゴファンも居るのが分かる。タンゴのレッスンで一緒になった事がある女性を3名見つけた。多分、もっと居たんだろうけど…。
この日は中野サンプラザで昼夜2公演の日。夜の公演を見たのだが、内容は素晴らしかった。

・ダンスは初日の印象とは全く違ってかなりブラッシュアップされていた。アゴスティナ&アクセルのペアもとても良くなっていてさすが!と思った。
でもGasparのドシッとした安定感あるタンゴは、やはり他のダンサーと比較にならないほど圧倒的だった。
・バイオリン同士の掛け合い、ニコラスとヘルマンの双子の掛け合いなどに面白寸劇の要素が追加されていて、エンターテインメント度が向上してた。
・ステージ後方のスクリーンにFabioの手元などがアップで映る事があるのだが、グリーンホールの時と同様にレイテンシーが酷くて見ていられない。こんなにずれるなら無い方がマシ。
・PAからの出音が自然ではなく、エフェクト掛かった音になってて残念。とても残念だ。PAの人、センスが無さすぎる。
・CDを買ってもサイン会は無い感じだった。

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